豊橋市芦原町I様宅の塗替え工事放浪記
2013.1.17
今回は芦原町の住宅街にある平家一戸建てのお宅です。
ここは会社前の国道1号線から枝分かれした県道31号(東三河環状)線を田原市方面に6キロほど走った右手奥の場所で、ここまでの道は僕が外回りをし始めてから間もなくして通った路線なのですが、南側に田園風景が広がるのとは対照的に、北側は数キロに渡る丘陵地が宅地造成化されていて、その視界に広がるコントラストとどこか長閑さを感じる雰囲気が相まって、当初から印象に残る道でした。 ん?、これは道レポではなかったですね・・・
もとい
僕が現場に着いた時は、塗装職人歴24年余りになる夏目さんがひとりで下塗りを終え、東面の中塗りに取りかかっているところでした。なお、この現場は夏目さんがひとりで行なう作業現場とのことでした。
お仕事ありがとうございます。
そこで施主様が御不在とのこともあったので、作業を進めながら塗替え塗装や夏目さんご自身について少し話を聞かせてもらいました。(弊社では主にご在宅時の施主様方に配慮して、現場では必要以上の会話は謹むことになっています)
夏目さんのことについては後日折をみて紹介したいと思いますが、いろいろと話を聞く中で印象に残ったことをいくつか・・・
僕が現場を訪れた時に最初に抱いた疑問点として一番上の写真をみると分かりますが、車が置かれている東面に足場が組まれていない点でした。足場というのは平家建てであっても四方を囲うように組まれる物だと思っていた僕は、これを見て、いきなり謎?なぞ? でした。
この足場は15日に専務と夏目さんの二人で組んだそうですが、その時のお二人の思惑を聞かせてもらい、『 THE 感動!! 』。
というのは、施主様が普段の出入りの際に利用しているこの通路兼お庭は、足場を組んでしまうととても狭くて通りづらくなり、お歳を召した施主様のことも考え平家建てということもあり、玄関から続くこの一面には足場を組まずにしておいたそうです。そして、塗る際はその都度脚立を立てたり仕舞ったりして作業することに、したとのことでした。
現場毎に異なる事情。なにもかもを杓子定規や四角四面で考えず、基礎・マニュアルも大切だけど、メインは施主様ご家族様であることを第一に考えてのことでした。
なるほど。。。
その他の点として夏目さんらしいというかウチの職人さん達みんななのかもしれませんが、先程の『現場毎に異なる事情』繋がりで、ひとつ。
このお宅の施主様は先に触れた通りの方なのですが、足場組の他にもこの現場ならではの配慮で、作業を進める考えを語ってくれました。それは、通路兼お庭になっている東面を南北西の他の面よりも先に、上塗りまでの工程を済ませてしまうというものでした。
その意図は、”普段時の生活導線の早期回復”といったところでしょうか。足場を組まずにした上で、なおかつ塗替え塗装もいち早く仕上げてしまう。そうすることが施主様のためにも繋がってゆくものだから。
2013.1.22--
気配り、厚情、臨機応変、心身配慮。作業や仕事の奥や先にはあくまでもお客様がおられる。
僕は、そういう”今この時”を、体感させていただきました。
後日談として、夏目さんはこの現場を日曜日も使って21日には仕上げたそうです。そして、施主様にも喜んでもらえ、「嬉しかった」 と、振り返って語ってくれました。
《 I様、この度はお仕事を賜り誠にありがとうございました 》